第811号 再編のタイムリミット
今週、特別国会では、総理の所信表明演説に続き、各党の代表質問が行われました。
与党対野党の「一強多弱」の構図が改めて明らかになる中、野党再編のタイムリミットは刻一刻と迫っています。
◆バラバラの野党への危機感
先の総選挙では、政権交代可能な大きな塊をつくるという目的を果たすため、民進党が希望の党に合流しました。
しかし、結果として野党はバラバラに戦うことになり、与党の大勝を許す結果となりました。
そして、現状、本来ならば安倍政権に対峙する大きなプラットフォームになっていなければならなかった野党が、民進党、希望の党、立憲民主党の3党に分かれ、今後いずれかの党がなくなるか、あるいは、このままバラバラの状態が続くのか、先行きは不透明です。
政府与党がこの状況を固定化し、国会運営や今後の地方選挙、そして再来年の参院選を有利に進めようとしていることは想像に難くありませんが、このバラバラの状態が続けば、政権交代はおろか、国会の政府に対する健全なチェック機能も果たすことは困難です。
◆タイムリミットは来年3月
野党連携・再編を模索するのであれば、タイムリミットは「来年3月」であると私は見ています。
再来年(2019年)の4月には統一地方選挙が行われます。そこに向けた支援団体からの推薦の取り付けや周知活動のための期間などを考えると、立候補予定者はその1 年前(2018年4月)には党の公認を得て準備を進める必要があります。
特に、連合・労働組合からの支援を得るのであれば、来年5月のメーデー前のしかるべきタイミングまでに構図を明らかにしなければなりません。
仮に来年3月までに野党間の調整が行われず、それぞれの党が独自の戦略・考えのもとでバラバラに候補を擁立することになれば、野党による「潰し合い」が現実のものとなってしまいます。そうなれば、再来年の統一地方選、そしてその3か月後の参院選においても野党の敗北は必至です。
◆野党こそ「大局」を見るべき
現在、政府与党は所得税の控除の見直しや、1人あたり年間1000円とも言われる「森林環境税」など、「増税ラッシュ」に走ろうとしています。
選挙が終わった途端に、国民に痛みを強いる政策を進めようとする政府与党のやり方は、許されるものではありません。
一方、バラバラになった野党各党は、それぞれの立場から政権批判を繰り返すだけでは、国民の支持を集めることはできません。
確かに現状では、各党が独自のカラーを出し、「尖った」主張をした方が一定の支持を集めることができるのかもしれません。ただし、それは極めて短期的なものであり、その先にあるのは、与党対野党の「一強多弱」の構図の固定化でしかありません。
野党各党は、政権に対峙するという当初の目的を改めて見つめなおし、「大局」に立って、連携を模索しなければなりません。そのために残された時間は限られています。(了)
森ちゃん日記「カンパニー」
朝の冷え込みも一層と厳しくなり、駅頭でお配りしているまぶちNEWSを掴む皆さんの手も寒そうで、しかし、より一層あたたかさを感じる瞬間があるこの季節。11月も最終週となり来週からはもう12月と、歳を重ねるごとに一年の経過の早さを感じています。多くの催し物や忘年会が行われる年末は、会社の同僚・仲間、故郷の友人、サークルや団体などの多くの方と直接お会いし、繋がることのできる特別な時間が多い期間かと思います。まさに忘年会シーズンのこの時期は、仲間と一緒にお酒を嗜みながら、食事をすることが多く、いつもと違う街の雰囲気が気持ちを和らげ、年の瀬が近いことを感じさせてくれます。
ある方に聞いた話ですが、会社という単語を英訳にすると「company」ですが、辞書で調べてみると、付き合い、同席、仲間、友だち、人の集まりという意味があります。
そして、この「company」の語源はラテン語のcom(ともに)、panis(パンを食べる仲間)の合成語から、仲間を現す―yが付いた言葉であるそうで、ここでいうパンとは広義で食事を意味し、「共に食事をすること」というニュアンスで使われると聞きました。つまり、(食事など)何か一緒に行動する仲間や集団、という意味で広く使われるそうです。会社という言葉の持つ本来の意味と、組織作りの本質に触れたような気がして、仲間と共有する時間の価値観が変わった気がしました。
一人での食事よりも、家族や仲間と楽しみながらの食事が格段と美味しく感じるのは言うまでもありませんが、物事の本質は今も昔も変わらないことを実感しながら、皆さんと、一年の喜びと感謝を伝えられる、繋がりの多い師走を過ごそうと思います。