第801号 憲法論議、逃げない代表選
民進党代表選は、21日に告示され、9月1日に投開票が行われます。
◆今回は出馬せず
代表選には、現時点で枝野幸男候補と前原誠司候補が出馬を表明しています。 私に対しても、「第三極」として出馬し、党の立て直しの議論を活性化させてほしいとの声がありました。
しかし、今回の蓮舫代表と野田佳彦幹事長の辞任は、都議選の結果が大きく影響したものです。そうした中で、選挙対策委員長の私が手を挙げることは、物事の筋をたがえることになります。 私は私自身の責任を改めて見つめ直し、今回の代表選には出馬しないこととしました。
◆理念見えない新党の動き
私たちが代表選を行う中、小池都知事の腹心、若狭勝衆院議員が政治団体「日本ファーストの会」を立ち上げました。
現在、これに民進党を離党した議員等が合流して新党を結成するのではないかとの憶測が流れています。
しかし、「核」となる理念や政策はこれといって見えない上、解散総選挙の日程もはっきりしない今の段階で、新党を結成するほどの政治的なエネルギーは感じられません。
もちろん、解散総選挙の直前に新党結成し、その効果を利用して選挙に臨む、という可能性はありますが、私たちは、動じることなく冷静に政局を見据え、地道に政策提言を続けて参ります。
◆「憲法」から政界再編?
与党内でも衆議院の解散総選挙や、来年の自民党総裁選に向けた駆け引きが加速しています。 その火種となるのが、安倍総理の悲願と言える憲法改正です。
総理はまだ支持率の高かった5月に憲法9条改憲私案を発表し、改憲スケジュールを示すなど、これまで憲法改正に強気の姿勢を示していました。
しかし、今月の内閣改造と自民党の役員人事では、改正に慎重な立場を取る岸田文雄氏を政調会長に就け、岸田派の議員を閣僚に多く起用するなど、慎重派に配慮した人事がなされました。これについては、安倍総理が党内の分裂を招きかねない憲法改正をいったん取り下げて党内基盤を固め、年内にも解散総選挙を行う準備に入ったととらえる見方があります。
ただ、その一方で、まずは党内融和の姿勢を示し、来年の自民党総裁選で勝利したのち、その勢いのまま一気に解散総選挙と憲法改正に踏み切ろうとしている、という考え方もあります。
そのカギを握るという意味で、憲法問題は政界再編の「火種」とも言えるのです。
私たち民進党は、単なる「火種」としてだけではなく、これからのこの国のあり方や、国民のくらしのあるべき姿を問うためにも、今回の代表選で堂々と憲法議論を行うべきだと考えます。
一部には、それにより党内が「改憲派」と「護憲派」に分断され、党が割れることを懸念する声もあります。
しかし、もう一度政権を担いうる政党として再生するためにも、「白か黒か」という安易な分断論に陥ることなく、各候補者が自らの目指す国家像に基づいた憲法観を堂々と議論する、意義のある代表選を行いたいと考えます。(了)
スタッフ日記「ご先祖様」
お盆はご先祖様をお迎えする期間ではありますが、自分よりも何代も前となると、名前と顔写真くらいは知っていても、共に過ごした記憶がないので、実感としてお迎えする感覚にはなかなかならないものです。
今年のお盆もいつものように実家へ帰省して過ごしていると、市の博物館で私の生まれ育った地域の民俗文化を展示する展覧会が行われていることに気づき、お盆というノスタルジーを誘う雰囲気も手伝って、出かけてみることにしました。
会場には昔の農具や作業着、祭りの祭具など、今ではなかなか見ることの出来ない民具や、古の農作業や人々の生活をとらえた写真が多く展示され、私の他には年配の方々が懐かしそうに展示品について語らいあっていました。
その中で、地域の民俗文化の研究資料として、昭和40年代に研究者が古老から聞き取り調査を行った文献が展示されているのを見つけました。
何の気なしに、どの地域のどの人から聞き取ったのかを見ていると、集落の祭りについての聞き取り調査の項があり、その相手として、今は亡き曾祖母の名前が記されているのを見つけました。
当時私はまだ生まれておらず、曾祖母も幼い時に亡くなったので、記憶にはありません。
しかし、聞き取り調査で地域の祭りについて活き活きと説明している曾祖母の姿を思い浮かべると、ご先祖様をお迎えするこのお盆の時期に、ひょんなところで再会できたような気になり、故郷への郷愁を強く感じた帰省となりました。(アタリ)