第697号 安保対案提出へ動く
15日の衆院安保特別委員会、16日の衆院本会議と立て続けに行われた安保法案の強行採決に対して、国民からの強い批判が向けられています。
◆内閣支持率低下の意味
先週末に行われた各紙世論調査で、安倍内閣の支持率は軒並み30%台後半に落ち込みました。一方、不支持率は50%超で、2012年12月の第2次安倍内閣発足以来、はじめて支持と不支持が逆転しました。その後、安倍総理が安保法案の参議院での審議に関し、「当然そういうこと(法案修正)も考えながら対応していく必要があるだろう」と修正に含みを持たせる発言を行うなど、政権には批判を受けての焦りが見られます。
しかし、これが野党の追い風になるかと言えば、そう単純な構図ではありません。世論調査では、自民党は依然として民主党の3倍強の支持を得ており、内閣への不支持の増加は政党支持率の変化にはつながっていません。
つまり国民は、安保法案の内容と手続き両面における、ずさんで乱暴な安倍内閣の進め方に疑問を抱いてはいるものの、政権に対しては「安定性」を求めているのだと思われます。言い換えれば、国民は、信頼できる政党が他にないため、安倍政権が嫌でも自民党を支持するしかない、あるいは無党派になるしかない、という消極的選択をせざるを得ない状況に置かれているのです。
◆対案提出で「受け皿」を作る
私はこうした中で野党第1党である民主党が取るべき道は、国民に選択肢を提示することだと考えます。与党の安保法案に寄らなくとも我が国をしっかりと防衛できることを法案の形で示してこそ国民の信頼が得られるのです。
対案を出すことは、政府案を認めるということではありません。限定があいまいな集団的自衛権を認め、違憲の疑いが強い政府の法案に私は明確に反対します。しかし、東アジアで安全保障環境が厳しさを増している現実がある以上、周辺事態法やPKO法、また政府がカバーしていない領海の守りを強化する領域警備法は、対案として国会に提出すべきであると考えます。「近くは現実的に、遠くは抑制的に、人道支援は積極的に」というスローガンのもと、具体的な方策を示していかなければなりません。
私は、20日に党内で志を同じくする細野豪志政調会長や長島昭久ネクスト外務大臣など20名の仲間と会合を開き、民主党が国民の期待を受け止めるため、安保関連法案の対案を作ることが必要であるという認識で一致しました。党としても、21日に周辺事態法の改正案を議員立法登録し、先日維新の党と共同提出した領域警備法案、4月に登録したPKO改正法案と併せて、参議院の安保委員会での議論を行う準備を整えています。
今後は、対案の議論をさらに活発化させることで党を突き上げ、現実的な危機への対処など、政府が詰めきれていない対応も含めた参議院での議論への準備を進めて参ります。(了)
スタッフ日記「お宮参り」
5月に2人目の孫が生まれました。1人目の時は東京勤務でなかなか会えず、顔も覚えてもらえなかったので、今回は思う存分ちょっかいを出しています。
先日親戚が集まり春日大社にお宮参りに行ってきました。
関西では「おひもつなぎ」といってお宮参りの時に祝い着の紐にご祝儀袋をつなぐ風習があります。親戚やご近所の人が、お祝いの気持ちでつないでくれるのですが、これには「はじめまして、これからもあなたの成長を皆で見守っていますよ」という意味も込められているようです。
日曜日だったため、海外からの観光客も含め、奈良公園周辺は大変賑っていました。しかし、その中でも女の子らしい華やかな祝い着にたくさんのご祝儀袋をつけた孫の姿は目を引くようで、行き交う人々が珍しげに覗き込んでは、おめでとう、かわいいねと声をかけてくれました。
ご祈祷所に着くと、すでに20組ほどの赤ちゃんが集まっていました。開式の合図で太鼓がドドーンと打ち鳴らされると、びっくりした赤ちゃんが一斉に泣きだします。お払いの鈴の音にもあちこちで甲高い泣き声が響き渡ります。そのたびにお母さんやおばあさんが立ち上がってあやす姿は、生まれたばかりの小さな命を慈しみ、大事に育てようという気持ちの伝わるほほえましい光景でした。
100日目の「お食い初め」や「初節句」と、健やかな成長を願う行事はまだまだ続きます。私自身は熱中症にやられたりもしていますが、そんなことは言っていられません。孫のためにも身体にムチを打ってまだまだ元気で頑張ります。(スギ)