第592号 「核のゴミ」に向き合う 

2013年6月1日 (土) ─

 主催する「原子力バックエンド・環境・エネルギー経済研究会」(以下、「BE研」)で昨年講演頂いた、米国のフランク・フォンヒッペル、仏のマイケル・シュナイダーの両氏と意見交換を行いました。

◆原子力バックエンド問題とは 
 原子力バックエンド問題とは、「原子力発電の使用済核燃料をどうするのか」という問題です。使用済燃料の取扱いについては、①核燃料サイクル・再処理(使用済燃料からプルトニウムを取り出して、原子力発電の新しい燃料として活用する方法。再処理の際に出てくる高レベル放射性廃棄物は地層深くに埋設処分)、②直接処分(使用済核燃料をそのまま地層深くに埋設処分する方法)、③当面貯蔵(使用済核燃料を数十年程度の期間貯蔵し、十数年後に、その時点の技術状況等を考慮して、改めて①~③あるいはその他の方法を選択)の3つの方法があげられます。日本は、これまで①の方法を進めてきましが、原発事故を契機として、増え続ける使用済燃料の問題や核燃サイクル自体の合理性等、その継続に問題提起がされています。

◆議論の状況 
 以上の状況を踏まえ、私は、2011年秋に原子力バックエンド勉強会を立ち上げ、「使用済核燃料については、核燃サイクルの推進を停止し、将来的な最終処分の方法の目途が立つまで、廃棄物の保管を国が責任もって行う体制(責任保管)に転換する」と主張してきました。「責任保管」は、上記③の当面貯蔵に分類できるものですが、原子力発電に伴う廃棄物については、国が責任をもつとともに、電力の受益者も同時に責任をもつべきとの思いから「責任保管」と名付けました。

 そして、この主張は、昨年9月、日本学術会議が出した提言書において「暫定保管」という言葉で同様の概念として示されました。このことは、私達の勉強会の主張が学術的にも妥当とされたことに他なりません。 

 一方、民主党政権では、「革新的エネルギー・環境戦略」で、「当面再処理事業には取り組むものの、使用済核燃料の直接処分等について結論を見出していく作業に直ちに着手する」とし、将来の核燃サイクル見直しに向けた作業に直ちに着手する方針を示していました。 

 今の安倍政権では、茂木経産大臣が、核燃料サイクル継続を明言する一方、使用済核燃料の問題については、経産省の審議会で5月28日にようやく検討が始まったところです。また、原子力政策を審議する原子力委員会の見直しも現在検討準備作業中で、秋の臨時国会に法案提出の見込みという状況です。そこには、参院選前には、この問題には深入りしないという意図が見てとれます。 

 使用済核燃料の処理に関する問題は、着工から20年経った今も竣工しない六ヶ所再処理工場や、原発事故を受けた原子力政策全体の見直しとの関係、国内だけで約17000トンある使用済燃料の扱い等、原発を今後どうするかの結論にかかわらず早急に対処しなければならない問題です。それは、青森県などの関係自治体だけでなく、電力消費地も含め、国民全体が向き合うべき問題でもあります。 
BE研も参院選後に改めて提言を行なえるように準備を進めていきます。(了) 

 

スタッフ日記「今年のタイガースは一味違う!?」
「阪神ファンにとって球場での応援は『観戦』ではなく『参戦』である。」 

 21年ぶりにリーグ優勝した昭和60(1985)年は優勝決定の瞬間を自宅のテレビの前で祝い、道頓堀からダイブするファンの姿を見ながらひとり涙を流し、その年の日本シリーズは全試合甲子園球場に「参戦」しました。 

 そんなトラキチの私ですがここしばらくは東京での仕事もあり、テレビや新聞で結果を知る程度で少々寂しい思いをしていました。昨年の低迷を「金本や矢野が引退したのが大きいのかな」と分析していましたが、今年は福留や西岡のアメリカからの帰国組、藤波晋太郎をはじめとするルーキー、スタンリッチなど新外国人が加入し、多少は期待が持てるかな開幕前からと楽しみにしていました。 

 5月28日現在、首位とは1.5ゲーム差の2位貯金10、高卒ルーキー藤波無傷の4連勝、新外国人スタンリッチのセ界防御率1位など投手陣の安定が今の成績に繋がっているようです。 

 そこに新ストッパーとして期待できるボイヤーの加入が発表されました。これは益々期待ができる!何としても甲子園に「参戦」しなくては!と久々に血が騒ぎ始めました。 

 「参戦」と言えば私どもの事務所にも昨年の4月から大卒(大物?)ルーキーのスタッフがいます。5月は民主党サポーターの新規登録の季節。昨年は親戚や友人にお願いする程度で大した戦力にはならなかったようですが、今年はお一人おひとりに丁寧にお願いするなど、この先楽しみな頑張りを見せてくれました。 

 サポーター登録は逆風といわれる中、昨年実績を上回ることができました。皆様のご協力に紙面を借りてではございますが厚く御礼申し上げます。(スギ)

第592号 「核のゴミ」に向き合う