第564号 エネルギー・環境調査会
新執行体制の下、政調会長代理となった私は、党のエネルギー政策の取りまとめを担うエネルギー・環境調査会(エネ環調査会)会長に就きました。これは、政府のエネルギー・環境会議(以下「エネ環会議」)に対応する党内の政策諮問機関です。9月14日に政府決定の「革新的エネルギー・環境戦略(以下「革エネ戦略」)」に「2030年代に原発稼働ゼロを可能とするよう、あらゆる政策資源を投入する。」と記されましたが、この原案を取りまとめた機関がエネ環調査会でもあります。
後の閣議決定で「原発ゼロ」の記述が抜けた、として政府の方針の「後退」を指摘している報道もありますが、政府・党が一体となってまとめた原子力政策は「革エネ戦略」が基本となることは言うまでもありません。
◆これからの論点は?
革エネ戦略での取りまとめは、大きな方向性を示したものでもありますが、期限を定めるべきものも含めてまだ多くの課題が残されています。
19日に改造後初めての政府のエネ環会議が開かれました。そこでは、「原子力政策」において、まず国と関連自治体や電力消費地域と協議する場を設置した上で、直ちに着手すべきものとして「使用済核燃料の中間貯蔵・最終処分のあり方」が、また、年末までに策定すべきものとして「人材や技術の維持強化」が挙げられました。その他、「もんじゅの研究計画を含めたバックエンドに関連の研究開発方針の取り決め」、「バックエンド事業の国の責任」や、「国際社会との連携」、「立地地域対策」、「原子力事業体制及び原子力損害賠償制度の詰め」など期限を区切らないまでも早急に決定しなければならないものが目白押しです。それから、節電や省エネ、再生可能エネルギーへの代替などの具体的工程を決める「グリーン政策大綱」の策定も年末を目途としています。発送電分離や電力市場の競争促進を目指す「電力システム改革」は政府の総合資源エネルギー調査会で議論される、とされていますが、こちらの目途も年末です。
一方、原発再稼働と表裏一体の関係になる「地球温暖化対策計画」ではあらためて2030年、2020年の温室効果ガス削減目標のあり方についても年末までに策定するとしています。これらについて、党の政策機関として政府に対していち早く提言していかなければなりません。
◆どうなるエネルギー基本計画?
また、エネ環会議でその取り組みの期限が明確に示されないままとなった「エネルギー基本計画」はエネルギー政策基本法12条で規定されているもので、閣議決定されるエネルギー政策の最も重要な柱となるものです。
「革エネ戦略」中には出てこないものの、6月29日のエネ環会議が決定した「エネルギー・環境に関する選択肢」においては、「8月に決定するエネルギー・環境戦略を受け、速やかにエネルギー基本計画を定める」とされており、本来ならばエネルギー基本法に基づき、エネルギー基本計画の閣議決定までしっかりと進めていかなければなりません。
報道によると、総合資源エネルギー調査会の三村委員長(新日鉄住金取締役相談役)が革エネ戦略について「矛盾だらけで決めようがない」と発言し、難色を示しているようですが、党機関として、政府への後押しを実行してまいります。(了)
スタッフ日記「政治家像と現代美術家像」
つい最近までは半袖に首からタオルを掛けて汗をぬぐっていたのに、今では合物のスーツでも肌寒く感じる時があります。
紅葉もそろそろ色づき始める季節、皆さんも食欲の秋・スポーツの秋・行楽の秋など様々な秋を楽しまれるかと思いますが、私は今年、芸術の秋に注目したいと思っています。
と言いますのも、好きな現代美術家があるプロジェクトを実施しているからなのです。
そのプロジェクトというのは、展覧会を開催するにあたり、「勧進(かんじん)」、つまり彼の芸術活動を個人の意志で支持し、賛同してくれる方々に展覧会制作の資金的サポートを幅広くお願いしてゆく、というものです。
通常であれば企業等に依頼する展覧会の協賛を、個人個人にお願いするという方法は、美術館のファンドレイジング(資金集め)活動においても新しい取組みであるとのことです。
こうした全く新しい現代美術家像への挑戦というのが、僕の目には個人の献金と自らの歳費のみによって政治活動を支えていただいている代議士との活動と重なり、素晴しいなと感じました。
残念ながらその展覧会へは行けそうにないのですが、このようなアーティストが後に続ければなと思います。そして、改めて企業団体献金を一切受けず、後援会長を頂点とした旧来のピラミッド型の後援会組織でなく一人一人と同じ目線で繋がる組織というかつてなかった政治家像を体現し、変わらぬ志しと姿勢で戦い続けている代議士をしっかり支えたいと思います。(お松)