第494号 「今年も熱い夏」
国会は70日間の会期延長が決議され、8月31日までの開会期間中、特例公債法、原発事故賠償法案と二次補正予算審議等が行われることになりました。従来ならば8月末迄に来年度予算概算要求が政府側で取りまとめられますが、今年は本格的な復興のための三次補正や、また「新たな体制」の話もあり、その後の見通しが立ちにくい状況です。私は、かねてより超党派の若手で国会改革の提言を行ってきており、通年国会を主張してきました。現在は国会法の規定で期末を定めなければならないため、日程闘争が与野党間の対立の中心となっています。このことが国会論議を不毛にしてきたと、厳しく55年体制下の国対政治を批判してまいりましたが、与野党が入れ替わっても、この構造に変化がないことが明らかになりました。私の主張は今も変わりませんが、国会の延長が決まった以上、自身の責任として原発収束に向けての中長期対策チームの活動を推進させていくのみであります。
◆政局の夏
内閣不信任案否決からの一連の騒動で、総理の退陣時期ばかりが取りざたされ、総理が強く主張したとされる8月末までの会期延長とエネルギーシフト等の新たな政策課題を口にすることで、総理が突然脱原発を旗頭に掲げ「原発解散」を行う、などの「怪談」が永田町を駆け巡っていますが、私は総理が目の前の課題、そして将来に影響を及ぼす課題について自らの問題意識を示し、日本国の代表として責任を果たそうと頑張っておられる、と認識しています。
また、退陣された場合の新たな代表選出について、報道でたびたび私の名前が取りざたされているのは承知していますが、私自身は総理の言葉を冷静に受け止めて、考えていかなければならないと思っています。「若い世代の皆さんに色々な責任を引き継いでいただきたい」。6月2日、総理は不信任案提出直前の代議士会でこのように発言されました。407名の民主党の全国会議員は、この総理・代表の言葉を真摯に受け止め、結党から13年、政権交代は果たしましたが、今後は国難の中で未来への道標を示す責任ある政党へと成長していかなければならない「使命」が私たちにはあることを肝に銘じなければなりません。この13年間は憲政史上で言えばいまだひと時の時間かもしれませんが、一方で重い責任を背負った時間であることも事実です。一人ひとりの議員が、総理の言葉を、傍観者ではなく自らのこととして考えなければならないと思っています。
◆復興と収束の夏
連日政局の話題ばかりなので私なりの考えを述べましたが、当然、政局に明け暮れている場合ではありません。まさに復旧・復興と原発事故の収束が目の前の最大の課題であり、この夏の開会中の最大の焦点でもあります。復興については担当大臣が任命されれば速やかに復興本部が設置され具体的な取りまとめが始まります。また、原発対応も悪戦苦闘の中、一歩一歩着実に歩を進めていると思っています。一部で私の担当する地下水汚染防止の地中壁構築が停滞しているかのような報道がありましたが、私の知る限り東電と保安院含む統合対策室にて着実に検討を推進しています。収束に向けて熱い夏を迎えます。(了)
まぶち@国会「会期(カイキ)」
6月22日午後の衆院本会議で70日間の会期延長が議決されました。「通常国会」は、通常1月から6月末までの150日間開かれ、会期日数の計算は、実際に審議がなされているかを問わず、すべての日を開会日として算入します。ただし、会期の途中で議員の任期が満了する場合にはその日で閉会となります。会期の延長は両議院の議決により1回のみ可能となっています。
会期延長の議決は、衆参両院の議決が一致しなかったり、参院が議決を行わなかったりした場合、国会法の規定により衆院の議決が優越します。その為、参議院では、1998年10月の臨時国会の延長議決を最後に、13年近く議決をしていません。慣例上全会一致となる場合に限り議決することにしていますが、今回も自民、公明両党などが70日間の会期延長に反対したため、本会議は開かれませんでした。
「特例公債法案」、「再生可能エネルギーの全量固定価格買い取り法案」、震災復興に向けての「平成23年度第2次補正予算案」、「10月1日以降の子ども手当に関する法案」、「二重ローン対策法案」等の国民生活に直結する法案が延長国会の焦点となります。
ちなみに、民主党政権での会期の延長は、第174臨時国会以来2度目、通常国会の延長は2年ぶりで、民主党政権としては初めてになります。
今回220日間を予定している第177通常国会は、第96回通常国会(鈴木善幸内閣)の244日間、第61回通常国会(第2次佐藤栄作内閣)の222日間に次いで、史上3番目に長い会期の通常国会となります。