三連休で見えたこと

2015年7月20日 (月) ─

 共同通信と毎日新聞は先週の金土、産経新聞は土日、で世論調査。軒並み、内閣支持率の低下、不支持率5割超で逆転という結果を示している。

共同:支持37.7%(47.4)-不支持51.6%(43.9)
毎日:支持35%(42)-不支持51%(43)
産経:支持39.3%(46.1)-不支持52.6%(42.4)
※カッコ内は前回数値

 強気の姿勢は崩さないだろうが、与党もそれなりに焦っているには違いない。

 しかし一方、これで、野党が活気づくかというと、ことはそう単純ではない、と思っている。

 金曜日の夕刻に地元入りしてすぐにマイクを駅で握り、続く三連休、街頭演説、並びに集会、地域の行事に顔を出し多くの人々の声を聞いた。5期連続で小選挙区で選出いただいている地元である。街ゆく人々の反応はすこぶるいい。再び野に下ったこの二年間を振り返っても、最も良い反応が返って来ている気がするし、現に多くの励ましをいただいた。

 しかし、である。

 しかしながら、それでも、私がハッと、感じたのは、内閣支持率が下がれどもそれでも民主党の3倍強の政党支持率を保つ自民党への、政権政党としての与党への「安定」の希求である。前号で、今までは潜在化していた個々人の安全保障に対する意見も、対立することを覚悟の上で顕在化していく過程が生じてきたと述べた。

 こうした状況はよりいっそう強まると想像するが、与党としての安定を、今の政権党に求める声というのは、なかなか簡単に消失しないという現状を、我々は冷静に認識する必要がある。

 要は、国民は、信頼できる政党が他にないから、安倍政権がイヤでも、自民党を支持するしかない、あるいはまたもや無党派に戻るしかない、というところに立っている。

 安保法制の問題点を認識してくれる人々が増えていることは間違いない。しかし、だからといって、政党支持が大きく動くには全く至っていないということだ。ましてや、民主党に、とはなっていない。

 せっかく、ずさんな法案の拙速かつ乱暴な審議について、国民も「オカシイ」と感じ始め、若者をはじめ多様な階層の人々が声を上げ始めているにもかかわらず、我々が受け皿になり得ていない現実をもう少し、冷静に受け止めるべきだ。

 しかも、安倍総理シンパからは「総理は、自らが悪者になってでも命がけで法案を通して、日本を守ろうとしているのだ」などという、「ハァッー?!」と思わず聞き返してしまうような声も、聞き及ぶにつけ、これは内閣支持率低下で野党が浮かれてはいる場合ではない、相当、気を引き締めていかなければ足下をすくわれる、という気になる。

 向こう側の、なんとか潮目を変えようと、虎視眈々と狙っている空気を、私は感じる。

 そうなると、もはや、この局面は対案路線しかない。

 一刻も早く、対案を法案として提出しパッケージにして、参院審議に供していかなければならない。NC(次の内閣会議)で、私は度々、「ここは政策決定会議なのだから、対案提出を行うのか否かの判断をこの場で明確に示してくれ」と訴えてきた。様子を見ながら、の時期は。もうとっくに過ぎた。

 そして、我々が対案法を提出しなければ、安倍政権は解散を打てる可能性を常に模索しながら国会運営を行ってくるに決まっている。

 繰り返し言うが、今解散すれば、野党結集が図れないまま過半数の候補者を擁立できない状態で、選挙に突っ込まざるを得なくなる。それは一方で、与党は数を減らそうが、過半数の確保は確実にするという見立てが立つということだ。

 もはやウダウダしている場合ではない。

 細野政調会長にも、ハラを括って取り組んでもらわなければならない。

 突き上げていく。

三連休で見えたこと