「青い鳥」
2008年5月15日 (木) ─
20年来の付き合いで兄弟のようにかわいがっていただいている先輩が映画を作ったというので、「初号試写」と呼ばれるまだ編集の余地が残されている最初のものを見に行った。
今公開中の藤沢修平原作の映画「山櫻」に続いて彼にとって二本目の映画「青い鳥」は、趣を変えて「いじめ問題」を正面に捉えたもの。
ある中学校で起きたいじめ問題に「本気」で向き合おうとする吃音の臨時教員といじめに加担したことをずっと心の中で重荷に感じている少年たちとのふれあいを通じて、いじめとは何かという問題の本質を描いている。成長期に自らのエネルギーのはけ口を見失いそうになる少年時代特有の葛藤とそれでも失うことのない純粋さを、淡々とした画面ながらも鮮烈に描いている。
吃音の教師役の阿部寛がイイ。子役たちも、すばらしい。
かつていじめで生徒を死なせてしまったことを悔い続ける阿部寛が、必死にしかし淡々と子供たちに個人の尊厳の大切さを伝える。「本気の言葉は、本気で聴かなければならない!」とのとつとつとした訴えは心に染みる。
まだ初号の段階なので、公開時期や上映館などどのようになるかはわからないが、ぜひ子供たちや親たちに見てほしい。
「青い鳥」