第1163号 「ネクスト」経済政策
立憲民主党経済財政部門会議が本格的に始動しました。私はネクスト経済財政担当大臣(NC)として、この会議の部門長を務め、4つの視点から切り込み、党の経済政策としてまとめ上げる作業に着手しています。
◆成長実現と再分配
経済政策は、経済の安定と発展・成長の為の総合的な政策であり、あらゆる政策を包括する内容となります。私が担当する部門会議は「成長実現と再分配」を政策立案の起点として戦略を練る場と設定しました。
成長実現と再分配の実現のためには4つのポイントがあります。まず第1は税です。税は景気を調整するとともに、再分配を担う機能を持っています。減税で景気を刺激したり、富裕層に負担していただいた税金を物価高対策や給付にあてたりと、税の上げ下げによって様々な経済成長と再分配が図れます。
税を絶対不可侵の領域にはせず、減税も含めた「逃げない」議論を行っていきます。
2番目は予算です。予算措置において、特に給付は重要です。 特定の層ばかりが恩恵を受ける制度ではなく、本当に必要な人に届く給付の仕組みを整えることが不可欠です。病気や失業、経済の変化など、誰もが困難な状況に直面する可能性があります。
だからこそ「社会全体で支え合う仕組み」が必要なのです。 公平で効率的な給付システムを整備しておくことは、生活の安心感を高め、日々の消費を促し、結果として経済成長につながります。そのためにも不公平感の生じない、また無駄の無い給付システムをいかに作るかを論じていきます。
◆規制は緩和と強化の両輪で
3番目は規制の見直しです。小泉内閣以来、規制の見直しというと、規制を撤廃して自由競争に委ねれば経済は成長するという規制緩和一辺倒の方針が採られてきました。その結果、派遣労働者など非正規雇用者が増え、賃金も伸びませんでした。 一方、いわゆるピンハネ業者などは巨額の利益を得ています。これは、規制緩和だけでは経済構造がいびつになり、成長は導けないことを表しています。
また「身を切る改革」が一時期もてはやされましたが、結局既得権は温存されたままで、身を切られるのは一般国民だけという状態が続いてます。
今、あらためて既得権に切り込むとともに、規制緩和だけではなく、消費者・労働者を守る規制の強化を含めた見直しを行っていくことが、野党の役割だと考えています。
◆ビジネス推進政党として
最後に、産業の創出です。経済成長の鍵は何よりも競争力のある新しい産業の創出です。しかし、これまで野党は、特に新規ビジネスの起業者とはつながりが弱く、「アンチビジネス政党」の烙印を押されていた現実があります。
産業創出のためには、これまでの主流だった特定の大企業への補助金や租税特別措置ではなく、参入規制の見直しや融資の強化など、ビジネスを行いやすい環境を整備することが必要だと考えています。
また、日本が立ち遅れている分野の強化も大事です。特に、暗号資産市場の例を挙げると、日本は規制が厳しすぎて成長の機会を失っています。暗号資産というとピンと来ない方が多いと思いますが、代表的なビットコインの時価総額は、アップルやマイクロソフト、アマゾンらの巨大IT企業に次ぐ規模にまで成長しており、世界では巨大な市場となっています。
こうした新しいサービスを得体の知れないものとして排除するのではなく、適切なルールを整備し、安全に投資できる環境を作るべきと考えます。
参院選も近づく中、悠長には構えていられません。「税」「予算」「規制の見直し」「産業創出」これら4つを軸にシンの成長実現と再分配に向けた政策立案、その方向性を示してまいります。
スタッフ日記「階段をのぼる」
はやくも2月になってしまいました。年初には新年の抱負や目標をきかれることがあります。特にないという方もいらっしゃいますが、私はどちらかというと毎年違った目標をたてる派です。目標を達成できないと落ち込んで、精神衛生に悪いのでなるべく達成できそうなことを目標にします。例えば、時間を見つけて今までみたことのない映画を観る、とかです。1年経るとできても、できなくても、次の目標に移行します。
今年は私にしては珍しくちょっとハードルの高い目標を設定しました。それは「なるべくエスカレーターを使わないで階段をのぼる」ということです。足腰の衰えか段差によくつまずくので日常生活の中で鍛えてみるという試みです。
国会事務所への通勤は地下鉄ですので階段をのぼる機会は沢山あります。国会議事堂前駅は東京で3番目、永田町駅は6番目に深いのです。永田町駅ホームから議事堂方面改札には思わず見上げてしまうほど長いエスカレーターがあります。4階分はあるように感じます。その脇に細い階段があり、階段をのぼる方も意外といらっしゃいます。
昨年まではどうしてエスカレーターを使わないのだろうと不思議に眺めていたのですが、今年は誰かに不思議がられているであろう立場になったわけです。最後の階段にさしかかる頃には息切れをおこしていますが、一応今のところ続いています。
(ななリターンズ)