第1164号 給付金行政のあり方
5日、私は今国会から新たに始まった予算委員会「省庁別審査」で、立憲民主党のトップバッターとして質疑に立ちました。
◆給付するのに6,316億
省庁別審査とは、質問に答える省庁を絞り込んで、集中的に予算案に対する審議を行うやり方です。私は、経済財政政策担当大臣を相手に、給付金行政の課題と改善点について議論を交わしました。
コロナ禍以降、生活支援のための給付金事業が繰り返されてきました。令和2年度以降、主だった給付措置だけでも6回実施され、給付額とは別に、事務費が6,316億円にも上っています。
給付は国民生活を支えるための再分配政策として重要ですが、事業の度に巨額の事務費を計上するのは予算の無駄そのものであり、事務費を削るために、効率化された給付システムへの移行が必要という問題意識がありました。
◆進歩しない給付システム
国も、効率化の必要性は認識しているものの、なかなか進まないのが現実です。令和5年度に実施された低所得世帯向けの3万円給付事業には、事務費として384億円が計上されましたが、令和6年に決定された3万円給付の事務費は374億円。しかも、10億円の減少は対象世帯がやや減少したためであり、業務効率化によって減少したわけではありません。給付システムの見直しによる業務効率化によってムダを削るべきです。
加えて問題なのは給付にかかる時間です。令和5年3月に給付が決まった3万円を配り終わったのは令和6年3月で、実に1年も要しています。今回も同じペースで配るとすると配り終わるのが今年の秋になってしまいかねません。物価高の今、目の前の生活をなんとかしようという人に届かなければ意味がありません。
この事態を改善するために、デジタル庁は「給付支援サービス」というシステムを20.6億円かけて開発しました。このシステムを活用すれば、給付業務の効率化が進み、400億円近い莫大な事務費を大幅に削減できる可能性があります。
しかし、この「給付支援サービス」を今回の3万円給付事業に利用している自治体は現時点で、1741自治体のうち、わずか4自治体に過ぎないことが質疑で明らかになりました。利用率はたった0.2%という驚くべき低さです。これでは良いシステムを開発しても宝の持ち腐れです。
では、なぜ普及が進まないのか?理由のひとつは、自治体の裁量に任されているため、多くの自治体が「これまで使っていたシステムを継続」していること。そして、もうひとつの大きな理由は、給付支援サービスの利用が有料であり、自治体にとってコスト負担が生じるためです。
◆システム普及支援を提案
せっかく新システムを開発しても、導入・利用は各自治体に委ねられるとすれば、なかなか普及は進みません。そして、給付金業務を扱う各省庁の部署もバラバラで、経済政策としての給付金行政の一体化に欠けており、普及を強力に推し進める部局が無いのが現状です。
私は、この不備を指摘し、給付金行政を統括する組織を強化し、国が主導して給付支援サービスの普及を進めることで事務費の削減に努めるべきと主張しました。
赤澤亮正経済財政政策担当大臣も、大変重要なご指摘と受け止めると答弁され、国として取り組むことを示されました。
生活が苦しくなった時に迅速に給付が行われるシステムを整備することは、経済政策・社会保障政策としても重要です。今後も継続的に給付金行政の改善を提案し、安価かつ迅速な給付を実現させていきます。
スタッフ日記「クロノタイプ(日周指向性)」
早起きが苦手です。学生の頃は、毎朝母に起こしてもらっていました。なかなか起きられず、時間ギリギリに起きて「どうして起こしてくれなかったの!」と文句をいいながら準備をしていたこともありました。さすがに今は目覚まし時計のおかげで、自力で起きています。
最近「クロノタイプ(日周指向性)」という言葉を知りました。クロノタイプとは身体に備わっている1日周期のリズム。「朝型」や「夜型」などがあります。「朝型」は早起きが得意で午前中からバリバリ働けるタイプ。朝が苦手で夕方から力を発揮できる「夜型」もいます。これは遺伝子で決まるとされ、生活習慣や個人の努力では修正が難しいそうです。
なぜ複数のクロノタイプが生まれたのかについては諸説ありますが、「人類が生き残るため」という説があります。もし皆が同じ時間に就寝していたとしたら、外敵に襲われ、人類が全滅していたかもしれません。朝型の人が寝ている時には、夜型の人が、夜型の人が寝ている時は、朝型の人が対処する。こうして、あらゆる外敵からの襲撃に対処する、クロノタイプが生まれたという説です。それぞれに役割があるということですね。
毎朝、馬淵さんやスタッフ、そして有志のボランティアの方々が、駅でまぶちニュースを配っています。これは選挙に関係なく続けている大切な日常活動の一つです。
私は夜型のようで、朝はお役に立てませんが、別のところでお役に立てればと思っています。(まあちゃん)