連立と政策協議

2007年11月7日 (水) ─

 小沢代表の辞任表明騒動で、たちまちメディアは民主党内政局の報道一辺倒になってしまったが、そもそも「連立」、「政策協議」とはいかなるものであるかの共通認識がなければ議論にならない。

 小沢代表の辞意撤回で再スタートを切る民主党としては、この点は明確なコンセンサスが必要であることはいうまでもない。

 「政策協議」は今日も行われている。

 そのひとつが国会審議であり、審議に上がる前の理事懇あるいは筆頭間協議など非公式な場での政策協議は日常的に行われている。それを、ねじれ国会で、政策協議が必要だ、法律が一本も通らないなどというのはまったくの為にする話でしかない。政策協議は常に行っており既に本国会でも閣法8本、議員立法2本の計10本の法案が衆院を通っている。17年度決算3本の決議もされている。中には全会一致のものもあり民主党が何でも反対しているかのごとき報道は事実無根だ。

 そして「連立」。

 連立とは二つ以上の政党からなる連合政権の一形態。当然ながら一般的には連立は連立内閣を示し、二つ以上の政党で内閣を構成することすなわち大臣を出すということになる。このことと政策協議は別の話である。

 連立となると異なる政党が協力して内閣を構成していくわけだから選挙についても協力というところに踏み込まざるを得ない。そこで選挙調整などが求められる。すなわち、「連立」とは「選挙調整」もしくは「選挙制度見直し」にまで自動的に進んでいく危険性をはらむスイッチを押すことになるのである。

 したがって当然ながら、二大政党制で非自民政権を目指す民主党の選択肢に「連立」はない。

 いろいろな可能性を否定する気はない。しかし、政策協議の一環として連立などというところに踏み込んだとき、選挙調整などあらぬ方向に進むことを肝に銘じておかねばなるまい。

 小沢代表のお詫びに始まる両院議員懇談会は30分で終わった。

 さ、持ち場に帰って仕事仕事。

連立と政策協議