荒天中止の山焼き

2007年1月7日 (日) ─

 何とも激しい荒天となり期待していた、奈良の風物詩の一つである「若草山の山焼き」が中止となった。13日への延期だそうである。本当に残念。

 今日は、特別な想いでこの日を迎えたのに...、残念!、の一言。

 奈良の行事は数あれど、子どものころに最も好きだったのがこの若草山の山焼きだった。

 もちろん、物心ついてから、そして成人してから、また40代になってからと、また奈良のその他の一つ一つの行事に対しては想いが深まってはいるが幼心のドキドキワクワク感というのは、今もしっかりと記憶に残っているのである。

 まだ、大人の腰あたりまでしか背丈がなかったとき、見物客でごった返す中を母に手を引かれながら歩いて見上げた若草山のふもとの空は、大人の頭の間にわずかに見える狭い漆黒の空間であった。それが、見る見るうちに真っ赤に染まりやがて、闇夜は高野山の夜店の絵本で見た閻魔地獄のように燃えたぎるような炎の空と化す。

 そんな中を、振袖姿のお姉さんやお兄さんが、なにやら妖しげな雰囲気を漂わせながら、歩いているのを子どもながらも艶かしく感じた。それは、祭りの夜だけ許される、情念を燃やす夜空のようにも見えた気がした。

 そんな、子どものときの印象の強さや、人ごみの喧騒のお祭気分の想い出がこの山焼きをいつも楽しみにさせる要因となっているのだろうと、自分のことを分析しながらみぞれ混じりの荒天を見上げる。

 延期となった13日は、予定がいっぱいで参加できそうにない。去年から楽しみにしていたのに。ウーン、残念だな。

 それとも、やっぱりホッとした?!(団長さん?)。

荒天中止の山焼き