知事選の行方

2006年12月10日 (日) ─

 現職知事の突然の記者会見ということで、「すわ、辞任か!?」の憶測が乱れ飛んだのが、12月1日。

 党所属の県議たちから、「選挙やでぇ、これは!」と電話がかかるが、実際は知事から来年の知事選に対しての五選不出馬表明だった。

 すでに民主党は、前回の知事選から四選以上は推薦しないという規定により現職知事の推薦はしていない。

 その意味では、われわれの知事選に対する意思決定や行動になんら影響を与えるものではない。それでも、すぐさま地元紙や四大紙まで新人候補として様々な名前が踊る。新聞の一面に「馬淵澄夫」の名前を見つけて、「勘弁してくれよ〜!」と事務所で話していると取材の申し込みが複数。まっ、これはこの際ちゃんと話しておこうと受ける。

 「知事選は、四選以上は推薦しない規定以外ない。」「自分は、国政を担うために政治の道を志してきたので200パーセントあり得ない。」等々を話す。

 「じゃぁ、元自民党の人も推薦するんですか?」と記者から聞かれる。チャンと聞いてね。「四選以上は推薦しない規定があると言うことで、それ以外はすべて可能性はゼロではない」ということですよ。

 この押し問答を繰り返す。

 そして、12月5日に突然の荒井正吾参議院議員の知事選出馬の記者会見。

 事態は急速に動いていく。

 またしても噂話が乱れ飛ぶ。引退した県選出の元大臣が現知事に引導を渡し、かつ荒井議員に出馬を促した、とか郵政造反の前議員が復党して参院選に出馬する、とか出所不明の話は枚挙に暇がない。いずれにしても、来年参院選と知事選があることは承知のこと。しっかりと取り組んでいくとの意思は変わりない。

 しかし、昨日読売テレビでご一緒した石原伸晃自民党幹事長代理は荒井さんの知事選出馬表明に、「中川幹事長も知らなかったんだよ、びっくりしたよー!」と話されていた。

 「ホントですかー!?」と驚いたのだが、奈良新聞見て初めて知った、こないだ荒井さんのこと参院候補に公認したとこなのに、とボヤいてるとこみると、石原幹事長代理の話もあながちでたらめではないのかもしれない。ま、他党のことなので真相はわかりようがないが、いずれにしても知事選を巡る様々な「人間模様」がありそうだ。

 しかし、現職知事が不出馬表明の三日後、定例記者会見で荒井参議院議員に出馬を要請したと語り、それを受けて翌日に荒井参議院議員が出馬をにおわす、というのは選挙で選ばれるはずの知事職の私物化と批判されても仕方あるまい。

 どうも、自民党総裁選と同等の感覚で扱っているのか。どうせ、自分たちのものだから、自分たちの中でわかりやすく説明できればよい、ということにしか見えない。

 いずれにしても県民の判断だが、政党を離れて行われる選挙という事で知事選というのはわかりにくくなっている。

 中央で選挙によって政党による政権交代が行われなければ、地方にはまだまだ波及しない。

知事選の行方