浪人は勝つ!

2018年4月2日 (月) ─

 昨年の総選挙で民進党(民主党)が分裂して以来、もうまもなく半年が経とうとしている。合流するとしていた希望の党の代表は、さっさと知事職に戻り、また消滅するとしていた民進党は残り、更に無所属会派、立憲民主党、と四分裂の状態が続いてきた。

 更に、昨年の総選挙で、野党が大同団結してまでも倒そうとしてきた、強権政治の権化・安倍政権が国会で行ってきた議論の根本であるはずの審議が、実は、改ざん決済文書を元に行ってきたことまで明らかとなり、まさに、フェイク政権によるフェイク国会、さらにはフェイク選挙だったことが、もはや明々白々だ。それでも、政権支持率は急落の後に、また、徐々に、戻しつつある。

なぜか!?理由は簡単だ。野党がバラバラだからである。そして、これを乗り越えていこうとする現職の皆さんの中に、未だ、拭い去ることのできないわだかまりが相当程度あることも、容易に想像がつく。

 昨日、民進党は全国幹事会を開き、希望の党との新党協議を開始することを決定した、と報じられた。ようやく、動き出すのかもしれない。しかし、我々、野に下った浪々の身の者の、危機感は、相当に強い。このまま、成り行きを眺めるだけでは、いけない。自分たちが、主体的に、野党、ひいては与党をも巻き込んだ政界の変革に挑まなければならない!、との強い意志の下、昨年からの浪士との議論によって、小さいながらも小舟をこぎ出し、前に進もうと誓った。

 政治団体の総務大臣届け出を3月28日、年度末直前に行い、受理された。浪人の仲間で、連携を取り、現職の皆さんを突き動かす、エンジンたらんと、30名を超える仲間が集ってくれている。

 我々は、再び、政権交代可能な政党を創り上げるその核とならん、と信じて行動をしていく。「一丸の会(いちがんのかい)」として、まもなく設立総会を開き、活動していく。その代表に、私、馬淵澄夫が就く。

 かつて、藩閥政治に対抗し敗れ、隠遁しながらも自由民権運動の浪士を鼓舞し、自らは再び政権に近づき伊藤内閣で要職を重ね、遂には外務大臣として不平等条約の撤廃など、日本外交の父と呼ばれるまでの功績を残した、陸奥宗光。

 この超現実主義者、明治の元勲が当時の浪士達に残したものは、何だったのか。「政治とはアートである」と喝破する、彼の言葉を借りて、今こそ、私たちが広く、浪人の仲間に呼びかけてきた、その呼びかけ文を、下記する。

浪士の皆様へ
 先の総選挙で、突然の事実上の解党宣言と共に希望の党の公認あるいは想像もしなかった新党や無所属で戦われ、惜敗された皆様方、ご奮闘に心から敬意を表します。

 私も、政権転落以来、長年、選挙対策実務に関わりながら、自らの議席を失ったこと、誠に申し訳なく、慚愧の念に堪えません。
しかし、あらためて、自らが野に下り、浪々の身となり市井の現場から国政を見ると、まさに「月影の至らぬ里はなかりけど、眺むる人の心にぞすむ」の心情であります。
 もはや、どんなに安倍政権の支持率が激減する状況であっても、野党がバラバラの状況を打破しなければ、野党への支持率・期待感が上がらないことが明らかなのですが、残念ながら現職の皆さんにおかれては、恩讐を超えて行動することが未だ困難であり、その意思がある者でしか結集は推進できないのだと痛感いたします。

 だから、今こそ、自公政権に対峙し、再び政権を担いうると国民から期待されるような勢力を創るため、浪々の身である私達こそが先陣を切って行動していかなければなりません。
かつて、徹底した現実主義で遂には「日本外交の父」として元勲と称された、陸奥宗光は、「古今浪人の勢力」と題して、当時浪々の身であった自由民権運動家の志士たちを鼓舞する、次の言葉を送っています。

「苟も進歩変革が社会の常道たる以上は、浪人は常に勝つ、永久に勝つ。
浪人の勝たざる社会は滅亡化石の社会なり。
勝利は終に浪人に在らん。
何ぞ屑々(せつせつ)然(ぜん)として藩閥の残(ざん)肴(こう)冷杯(れいはい)に首(こうべ)を低(た)れんや。」
と。

 野にいる今、不遇を託つのではなく、社会の常道たる進歩変革を信じ、必ずや勝つ!との気概を持って臨むことこそ、私たち浪士の使命であります。

 もはや、残(ざん)肴(こう)冷杯(れいはい)に首(こうべ)を低(た)れて、目の前の糧に甘んじるわけには参りません。
私たちが核となり、中心となり、野党がバラバラの状況を打破して自公政権と対峙しうる勢力を創るためのエンジンとなって、現職の皆さんを突き動かし、恩讐を超えて、広く国民生活を護る政治の実現に邁進しようではありませんか。

 私は、徒に、更に野党を分断することを求めているのではありません。来春に統一地方選、夏に参院選を控える、今、この時にこそ、浪士の我々が、ひとつにまとまり、大きな塊となって、本質的な日本政治の変革に向けて行動していかねばなりません。
是非とも、皆様のご賛同と、そしてこの運動へのご参画を強く求めるところであり、心からのご参集のお願いをさせていただきます。

浪人は勝つ、必ず勝つ。

私たち、こそが、その先頭に立ちましょう!

平成30年3月吉日
前衆議院議員 馬淵澄夫拝

新党協議も、しっかりと見極め、そして、何よりも、大きな塊となっていくことの意義を発信していく「一丸の会」。2010年、当選三回にもかかわらず、「生意気だ」と叱られながらも、代表選挙初挑戦を決めたとき、菅総理の退陣が目の前に迫る中、あらゆる、政治家が語る「挙党一致」の言葉がむなしく響いているのを聞いて、この言葉は使うまい、と誓った。

 だから、私は、あの代表選以来、常に、「全党一丸」と語ってきた。

 そして、全党一丸となって政権交代可能な政党に再生すべく、取り組んできたが、今は浪々の身となった。しかし、思いは、今も変わらない。全党一丸、野党一丸、政界一丸となって、ゆがんだ政治を正していかなければならない。

「一丸の会」から、再誕(さいたん)。
自らが、自らを生み直すために向き合っていく。

浪人は勝つ!