水蒸気温度

2011年9月29日 (木) ─

 冷温停止の定義そのものを都合のいい解釈にするのではなく、より明確にするべきだと述べてきたが、一方水蒸気は100℃以上になるのではないかとのご指摘をいただいた。

 物理的には水蒸気は100℃以上になる。それは、水蒸気そのものを熱した場合か、圧力を上げて沸騰させたときである。

 鍋に水を入れて下から熱を加えている状況を考えていただければご理解いただけると思う。

 鍋の底で発生した水蒸気は、お湯の中を通っているうちに冷やされ、ほぼ100℃強で上部へで解放される。その水蒸気がさらに上部に熱源があって熱を加えられれば、どんどん温度が上がるが、普通はそんなことはない。圧力鍋や蒸し器は、圧力を上げることにより、上部の気相の温度を上げ、より内部まで熱を通している。(ボイルシャルルの法則:PV/T=一定)

 では一方原子炉の状況は、どうかというと、既に解放され気圧は大気圧と同じである。1号機、2号機の圧力容器内温度は、100℃前後できわめて安定している。そして圧力容器内にはほとんど水(液相)はない。

 これらを考えると、状況は以下のようだと推測される。水蒸気自身をさらにあたためている熱源は、少なくとも圧力容器内にはない。水蒸気の発生は、圧力容器の外の液相の中から発生している。

 すなわち鍋状態。

 だから、意味があるのか、ということを問うている。

水蒸気温度