政府も、脱・安全神話へ

2011年8月6日 (土) ─

 今年も広島。

 毎年、選挙などがなければ子どもたち全員連れて奈良から車で広島を訪ね平和祈念式典に出席してきた。もちろん、式典会場内には子どもたちは入れないので会場となっている公園内で祈りをささげるように、と言い残して出席してきた。

 選挙がない年ということで今年も全員で来る予定だったが、急きょ身辺あわただしくなってしまったこともあって、ヒロコのみ帯同。

 例年に比べるとまだしのぎやすい暑さの中、平和への祈りをささげる。

 松井広島市長からの平和宣言では原発事故にも触れ、放射線の脅威と原発への信頼の崩壊を言及された。

 さらに、『「核と人類は共存できない」との思いから脱原発を主張する人々、あるいは、原子力管理の一層の厳格化とともに、再生可能エネルギーの活用を訴える人々』がいるという国民的議論の中、日本政府に対しこうした現状を真摯に受け止め、『国民の理解と信頼を得られるよう早急にエネルギー政策を見直し、具体的な対策を講じていくべき』と訴えられた。

 被爆地の市長からの平和への願いが、さらに国に対し、エネルギー政策の転換を促すという、非常に重い宣言である。

 一方、菅総理はエネルギー政策について「白紙からの見直し」を強調し、さらには原発の安全神話への反省を言及した。そして「原発への依存度を引き下げ、原発に依存しない社会を目指していく」と述べた。

 「脱・安全神話」は、僕自身が原子力政策の中核として訴えてきたこと(2011年7月8日 まぶちすみの不易塾日記 「もう一つの柱、『脱・安全神話』」)。エネルギー政策としての「脱・原発依存」そして原子力政策としての「脱・安全神話」こそ、この国の政策転換のキーワードだ。

 政府もようやく歩を揃えだした。

 これらに、「バックエンド問題の見直し」が加われば、やっと先送りしてきた課題への解決に一歩を踏み出すことになる。

 これからだ。

政府も、脱・安全神話へ