感謝の言葉

2010年3月29日 (月) ─

 先週、今週と在京当番が続いたがその間も義父の命日彼岸法要、そして弟一家の義父の葬儀などが続いた。この季節には、旅立たれる方が多いのだとあらためて感じ入る。

 弟一家の義父の葬儀では、義妹のユキちゃんの「一生懸命かわいがって育ててくれてありがとう」との涙ながらの感謝の言葉に、胸打たれた。不惑を超えてもなお、父に対して娘としてかわいがられたことの思い出と感謝を素直に口に出せる親子関係を、いいなぁと思った。

 果たして、僕はどうだろう。素直に口に出して、父や母に、その時話しかけられるだろうか。いや、本当は「その時」ではなく、元気な今こそ直接伝えるべきなのに、ほとんど会話らしい会話などしていない。

 今月初め、父の82回目の誕生日があった。

 孫である、娘や息子たちは父に一生懸命手紙を書いたり、何かしらプレゼントを用意したり、ヒロコは「おじいちゃんの好物よ!」と手料理に腕をふるったりしてくれたようだ。

 僕も、電話くらいしなきゃぁ、と思いながらもついめんどくささにかまけて日付が変わりそうになってしまっていた。

 年寄りだから、もう寝てるし電話するわけにもいかず、どうしようかと迷った。ヒロコに、ファックスでメッセージでも送るわ、でも他の誰にも見せずにおじいちゃんに渡してねと伝えた。

 A4の白紙を前に、ウーンと腕組み。おそらく40年ぶりくらいだろうか...、「お父さんへ」と書き出した。

 不思議なことに、一瞬にして紙に向かっている僕は、父を見上げていたころの子どもの感覚に戻った。あとは、何を書いたのかよく覚えていない。書いたメッセージもすぐに捨ててしまった。

 翌日ヒロコから「おじいちゃん、喜んでたわよ。」と連絡があった。

 元気なうちに、僕の口から父の耳へ、僕の声で伝えないと。

感謝の言葉