怒涛の証人喚問(その1)

2005年12月16日 (金) ─

 昨日は、大変な一日だった。

 自身にとっても、こんなに激しい一日というのは選挙ぐらいしか思い浮かばない。

 まさに、怒涛の一日。

 国交委の構造計算書偽装問題に関する証人喚問は6時間45分にわたって行われ、姉歯元建築士、木村建設木村社長、篠塚東京支店長、経営総合研究所の内河所長の4名に対して行われた。

 全国民注視の証人喚問。NHKだけではなく、民法各社まで特番を組んで中継体制に入る。周囲の緊張感はピークに達する。

 私の持ち時間は、姉歯承認に10分、木村建設の両名に対して13分、内河証人に対して38分の、計1時間1分だった。

 短い時間で行う尋問では、引き出せそうな証言をあらかじめ想定し、事実の確認を行うに徹する。そして、他の議員の質問によって引き出された新事実などを確認しながら、論理構成の点検を行っていく。まさに、現場での臨機応変の対応が求められる。

 犯人探し、ではない。

 「事実を明らかにすること」こそ、国民が求めていることである。だから、自分の感情はいらない。冷静に論理によって事実を導き出し、嘘があればそれをあぶり出し、真の事実を明らかにすることこそ、求められている。

 しかし、姉歯証人のさばさばした表情と、「弱い自分がいた」という証言は、ある意味、社会の中の「強くはない者」が「ささやかな営み」を守ろうとしていた「自分」を語る言葉として、本音として、胸に突き刺さる。こういう、心情の吐露には、正直、弱い。

 しかし、そんな感情も押し殺して、客観的に確認すべきことを尋問しなければならないし、姉歯証人の行ったことは許されるべきでないことはもちろんのことである。

 10分はあっという間に終わった。姉歯証人に確認すべきは確認できた。残念ながら、大変な思いで手に入れた平成設計の藪常務の陳述書である「藪メモ」に書かれていることは否定されてしまったが、貴重な証言を得ることができた。

「総研、四ヶ所氏と数回会っている。」

 総研は、姉歯氏との関係は否定している。会ったことあるのは2度だけと表明しているが、姉歯証人の口からは何度か会ったと確認された。

 午前中の質疑は、10分だけ。とりあえず、これを収穫として次の質疑に備えることになった。

 記者さんに追いかけられるので、国対の部屋でカツカレーをかき込んで、ほとぼり冷めたころに会館の部屋に戻って20分ほどの休憩。

 そういえば、昨晩はほとんど寝てないな。ウトウトとしたら、もう1時。あわてて院内に走る。さっ、次は木村建設だ。

 思ったよりも、10分は短い。木村建設のあの、木村社長からうまく聞きだせるだろうか?、若干不安がよぎる。

 木村建設には、13分。さぁ、午後の第2ラウンド開始。

怒涛の証人喚問(その1)