基本的質疑二日目

2006年10月7日 (土) ─

 予算委二日目の基本的質疑は朝から民主党のバッター。昨日に引き続き菅代表代行だ。菅さんは今日は、内政問題について総理に質す。

 年金収入240万円の夫婦世帯で、租税、国保、介護保険等で年額13万円強も負担増となったこの5年間。このことに対してどう考えるかという問いかけに対して、総理はまったく答えない。内政についてはまだまだレクが足りないのか、自信がないのか、外交問題と一転して口ごもる。

 菅さんの今日の質疑は、総理がいかに内政問題に対しての危機感が希薄かということが浮き彫りにされたのではないか。

 続いて、田中真紀子さん。

 真紀子さんの質疑というのは、私が浪人時代に大臣としての答弁をテレビで見て以来だ。どんな質疑をされるのか、一国民として興味をもって聞く。

 「子どもが大人の靴履いて、表に飛び出して歩き出してるようだ」との比喩は、なかなかに手厳しい。「それがドンドン右に行っちゃう」と言われて、安倍総理もムッとする。

 お互いに「やり難そう」感が全身にあふれ出ている気がしたが、真紀子節はそれなりに炸裂しのではないか。しかし、これも国民の同意や賛意を得ることができたかというと厳しい見方もあるかもしれない。

 続いて、岡田元代表。年金破綻の認識から始まり、鋭い切り口で攻める。歴史認識も、このように事実に基づいて攻めれば可能性あることを示す結果だった。

 さらに枝野筆頭理事は、ポイントを定めて攻める。グレーゾーン金利、障害者自立支援法、年金等社会保障制度、非正規雇用の問題、代理出産、景気・経済と、内政の庶民の課題についての質疑は、際立った。

 やはり、国民が聞きたいのはこれだ。

 そして、予想外(失礼!)に良かったのが共産党志井委員長。それぞれの価値観はあるかもしれないが、質疑テクニックとして、このように事実に基づいて質すと、答弁者のいい加減さが浮き彫りにされるというお手本のような質疑だった。

 もちろん、論旨の焦点がずれている等の時代錯誤が見え隠れしてはいるが、非常に参考になったのではないか。いずれにしても、二日目の安倍総理のしたたかさは、それなりに確認できた。

 相手は、「舐められていることが、強さだ!」と、言い切っているとすると、こちらも相当に用意周到にいかねばならない。

基本的質疑二日目