八ツ場ダムの再検証

2011年9月14日 (水) ─

 八ツ場ダムのことで各方面から問い合わせが来るが、今日までの、ダム中止から再検証というプロセスのことが忘れ去られているようだ。

 八ツ場ダムについては、政権交代直後に前原大臣が中止を表明した。そして「中止の方向性」の中で昨年9月に「今後の治水対策のあり方に関する有識者会議」でまとめた「今後の治水対策のあり方について中間とりまとめ」に基づいた再検証のプロセスを今年の夏まで進めてきたと認識している。

 途中、前原大臣から引き継いだ僕自身もこのプロセスを継続させながら、一方で「利根川水系の八斗島地点における基本高水の検証」を新たに指示した。単に83事業の再検証のみならず、八ツ場ダムの論拠ともなった基本高水の検証をモデルも含めて行うことを進めた。

 そして、夏までに事業費・工期の点検、整備計画相当目標の設定、複数代替案の提示、抽出を行って治水利水の目的別評価、総合的な評価を行ったところ。少なくとも、まだ結論は出ていないはずだ。

 この先、パブコメ、関係地方公共団体の長等からの意見聴取、事業評価監視委員会、有識者会議からの意見聴取そして政府の対応方針決定という入念なプロセスは、前原大臣時代に決めたもの。

 したがって、プロセス上決定はまだなされておらず、「今後の治水対策のあり方について中間とりまとめ」方針では最終判断は国交大臣が行えるようになっている。

 予断なき再検証の結果を踏まえて、国交大臣(政務三役)にしかるべき判断をしていただく。

八ツ場ダムの再検証