予算委員会の総括

2009年2月27日 (金) ─

 委員長職権で立った予算委員会だが、粛々と審議。「締めくくり質疑」、通称「締め総」。

 これで、今日平成21年度総予算の採決。本会議緊急上程で成立となる。本会議の公報立ても午後3時からだから、夕方には終わる。

 1月5日からの国会召集で、冒頭からの補正予算審議の想定で準備は昨年の12月半ばから本格的に詰めてやってきた。秋の選挙はないと見て、11月から月~金を国会に張り付いてきた。ホントに長かった。

 予算委員会の総括をすると、一言で言えば政府の「自滅」。予算審議の論点が定まる前に、麻生総理の定額給付金に関するブレ、「郵政民営化反対だった」発言、小泉政権の負の遺産となる「かんぽの宿」問題、中川財務大臣のもうろう会見・ドタバタ辞任と、政権自らが自らの問題で崩れていった。委員会での審議によって新たな論点が見つかって、という流れにはならなかった。

 もちろん、攻める民主党側にも問題がなかったわけではない。攻めの論点を集約して、配分して、という組織的な動きはなかった。

 もっとも、自らの力不足に関しては、期待に応えられなかったとお詫びする以外にないのだが、テーマの絞りきりが委員会全体としてできなかったことは反省すべきだろう。これは、言い換えれば、予算委員会のメンバー構成を早々と定めてテーマの抽出や論点の絞込みを組織的に行うことの必要性を浮き彫りにしたともいえる。個人技に頼る、という形態の限界ではないか。

 もはや政権は機能停止状態、「死に体」であるため、予算委員会での突破力がなくとも結果として2月末まで日程を引っぱり、財務大臣が辞任に追い込まれた。野党の予算委員会としては、「成果」を評価する向きもあるのかもしれないが、残念であるとの気持ちはぬぐいきれない。

 個人的な総括も必要だ。

 膨大な資料との格闘の中で「道路問題」から突破口を切り開こうとがんばってきたつもりだったが、多くの人手をかけた作業結果を整理する最後の詰めが不十分だったため、プレゼンテーション部分の精緻化が果たせぬままとなった。不完全燃焼だった。それが2月4日の質疑。2月20日は、「高速道路の無料化試算」をつかみながらひた隠しに隠す国交省を追い詰めるのに時間がかかり、無料化と割引政策の是非までたどり着かなかった部分が、悔いが残った。せっかくテレビでご覧いただいていたので残念だった。いずれも、自らの力不足としてスタッフには申し訳なく思っている。

 その意味で25日の1時間半は、4日と20日の双方の質疑の足らずを補うことができたことで、唯一満足できるものだった。26日は、国家公務員制度も触れておかなければならないとの使命感でやったが、わざとだとも思うが人事院総裁の答弁が難解で、制度設計議論の難しさを実感した。

 成果としては、国交省から「高速道路無料化検討」の事実を認めさせ提出を明言させたこと。これは、民主党の政策実現のために非常に大きい。

 そして、明確に認めはしなかったが昨年の閣議決定違反となる平成20年度道路予算執行に新需要推計を反映させていないことについての指摘は、平成21年度道路予算に対しての厳しい「押さえ」になったことは間違いない。その意味で、いい加減な予算執行を止めていくことの本来の役割を果たしたと思っている。

 自らの確認できる成果というのは、小さいものかもしれないがそのことを「誇り」にスタッフにはねぎらいの言葉を伝えた。

 国会事務所は明日から月曜日も実質休みにして三連休とした。そして、インターンも含めて一次の打ち上げ。少しはスタッフにもホッとしてもらいたい。

 ヒロコから、今晩夕飯いるの?、と朝早くから電話がかかってきた。10時ころになるかもしれないけど、いる!と伝える。早く、帰ってらっしゃい!とめずらしくやさしく言われた。「ありすの志望校合格で皆ホッとしてるから。家の中はひと足早く、春の気分よ!」

 ピリピリした気分が、サーッとひいていった。

予算委員会の総括