世界遺産登録の攻防

2015年7月5日 (日) ─

 ドイツ・ボンでは「明治日本の産業革命遺産」の世界文化遺産登録を巡って、日韓の激しいせめぎ合いが続いている。

 本来なら4日に登録可否の審議が行われる予定だったが、議長国ドイツの判断で、5日にずれ込んだ。委員会での日韓の発言内容が一致せず、全会一致の原則が崩れて、このままでは投票に持ち込まれる可能性もあるいうことから、更なる調整の期間を一日設けたということだ。

 こうした事態を、なんとしてでも打開すべく、超党派で作ってきた「世界遺産議員連盟」では、昨年選挙後の総会を今月17日に開催し、新たな人事体制承認を得て、韓国の意見に対しての外交的対応と世界遺産登録に向けての委員国へのロビー活動も含めて政府の取り組み強化を求める決議文を採択し、政府に申し入れることを決定し、官邸にも申し入れを行ったところでもある。

 我が国初の世界遺産登録を行いその後も含めて3件の登録数を持つ奈良県選出ということもあってか、諸先輩方いらっしゃる中、不肖私が、12年総選挙以降、会長をつとめさせていただいている。なんとしてでも、今回、登録を目指して議連として頑張らなければならない。

 議連総会では、韓国の反対を受けてはいるが、日韓の「政治イシューにしない」との了解から、以下のように決議文も配慮して作成した。
「この財産の登録に際し、これまで日本政府がイコモスの審査に対して誠実かつ十分な説明を行うとともに、世界遺産委員会委員国に対し、日本の立場についてあらゆる機会を活用して丁寧な説明を続けてきたことは承知しているが、引き続き、この取組みを今後も継続し、6月28日から始まる第39回世界遺産委員会の場で、世界遺産登録実現に向けて責任をもって対処されたい。」(一部抜粋)

 その後21日の日韓外相会談では岸田外相と韓国の尹炳世外相間で両国共に登録に協力するということが確認され、胸をなで下ろしていたところであった。

 しかし、である。その後の外交交渉において、相当の困難があったのだろうと推測するが、事態は膠着となっている。ここで、万が一のことがあってはならない。

 今日は、八幡製鉄所を誇る懇意の北九州市議さんたちも、パブリックビューイングでことの成り行きを見守るという。国を挙げて応援しなければならない状況だ。

 明朝は、なでしこのワールドカップ決勝戦だが、世界遺産登録も今宵が決勝戦。

 是非とも、登録となることを祈る!

世界遺産登録の攻防