まっすぐひたむき訪中記(その3)

2005年11月20日 (日) ─

 朝7時半からの、中国共産党の「中華全国青年連合会(共青連)」の周強第一書記との朝食会談。

 周強第一書記は、中国共産党の40歳までの青年部、7000万人の頂点に立つ人である。そして、中央委員でもあり、当然ながら将来のリーダーと目される一人でもある。

 胡錦濤政権後、いわゆる江沢民前主席の「上海閥」に対して、共青連出身の「団派」の台頭が著しい。

 胡錦濤主席や、遼寧省の李克強書記も共青連の出身である。その昔、共青連が「青年団」と称していたことから、出身者の派閥を「団派」と呼ぶ。

 周強第一書記は、私と同い年だ。岡田さんからは、いい人間関係を作っておくように言われた。あわただしい、朝食会議を終えて北京空港へ。

 瀋陽行きのフライトに飛び乗る。約1時間半で瀋陽へ。機内から見る瀋陽の景色はスモッグで曇って見えない。よく見ると煙突と思しきところからモクモクと煙が吐き出され、街全体を覆っている。

 いやーひどい汚染状況だなぁ、と驚きながら瀋陽着。総領事館総出の出迎えを受ける。へーっ、と驚いたのだが、1時間半後に自民党の武部幹事長ご一行到着とのことで、まっ、それもあってのことだわな。

 中国政府の対応はたいそう手厚いもので、パトカーの先導で赤信号もサイレン鳴らして走り抜ける。時に反対車線を走り、渋滞など関係なしだ。えらい対応ぶりに、中連部の随行員も「北京でこれはできませんね。」と苦笑い。

 パトカーもベンツのSL300。地方の裁量とはいえ、著しい経済的発展を遂げている中国の地方政府の力を感じる。

 チェックイン後、故宮へ。中国の本土には、北京とここ瀋陽の二箇所に故宮、すなわち皇帝の宮殿がある。瀋陽の故宮は明代、北京の故宮は秦代のものだそうで、世界遺産にも登録されているが、残念ながら保存状態はあまり良いとは言えない。故宮見学を終えて、9.18記念館を見学。

 お、重い。99年に江沢民主席の主導で造られた9.18記念館は、反日感情養成所のようなたたずまいである。「国辱の日を忘れない。」のメッセージと心理的効果を狙ったのか、新しいのにわざわざ薄暗くしている照明は、心理的圧迫を生じさせる。確かに、当時の関東軍の所業は問題あったのは理解しているが、ここまであからさまに記念館と言う名目でプロパガンダされると、結構心情的にはキツイなぁ。何か、意図ありか、と思わせるものだ。

 重苦しい気分で後にする。一同、皆無言。

 記念館を出る寸前に、案内をしてくれた若い中国人女性に、「日本をどう思う?。」と聞いてみた。

 説明のときの厳しい表情とは打って変わって、にこやかに、「6年間勤めているけど、歴史は過去のものだと思っています。これからの感情を拘束するものではありません。これからの日中関係に大きな可能性を信じています。」との答え。

 少しだけ、ホッとした。

まっすぐひたむき訪中記(その3)