そして、もんじゅへ

2011年12月24日 (土) ─

 6時に東京の宿舎を出て、福井県敦賀へ。

 原子力バックエンド問題勉強会役員の面々と共に独立行政法人日本原子力研究開発機構(JAEA)の高速増殖炉「もんじゅ」の視察。

 ここにも鈴木理事長以下幹部揃っての出迎えを受け、短い時間ではあるがナトリウム取扱研修施設から高速増殖炉研究開発センター「もんじゅ」の原子炉格納容器内、炉内中継装置、補助冷却設備、空気冷却気室及び中央制御室を見学、説明を受ける。

 95年のナトリウム漏えい事故からの教訓による安全管理の強化並びに昨年の炉内中継装置の落下事故の復旧作業を終えて、JAEAとしては今年度見送った40%出力プラント確認試験を何とか新原子力政策大綱と新エネルギー基本計画の方向性を受けて実施の判断を行いたいとの強い思いがある。

 また、40%のみならず100%出力確認試験を終えてこそ、実用化の道筋を明らかにすることができるというのがJAEAの発想だ。

 現場の責任者はじめ関係者は「何とか、実用炉への道筋をつけるために出力確認試験を段階的に進めたい。それでなければ、これまでのすべてが水泡に帰す...」と神妙な面持ち。

 茨城県大洗町の「常陽」が「実験炉」。そして福井県敦賀の「もんじゅ」が「原型炉」。この先さらに、「実用炉」、「商用炉」へと続く壮大な計画。

 しかし、一方でナトリウムという極めて取扱を慎重に行わなければならない金属を用いた冷却システムの複雑さ、困難さは研修施設やプラント視察だけでも十分うかがい知れる。

 福島第一の事故による原子力政策の抜本的見直しの必要性を、単に「研究開発を無駄にしてはならない」という今までの観点から眺めているだけでは、コトは何も変わらない。

 視察後のマスコミのぶら下がり取材でも、我々は今のJAEAの前がかりな姿勢とは違う、と話した。

 雪に煙る敦賀では、三連休で行楽に出かけてきた旅人のほころんだ顔を多数みた。

 バックエンド問題で原子力政策に頭をめぐらし渋面の僕らも、そろそろ、世の中のクリスマスイブの雰囲気に戻らなきゃ世間からかい離してしまうかもしれない、と笑顔で列車に乗り込む。

そして、もんじゅへ