かつてとは違う会期末攻防

2013年12月6日 (金) ─

 第185臨時国会が、実質的に幕を閉じた。

 会期の2日延長を、今日の午後になって与党は提出してきたが、特定秘密保護法案の参院審議での混乱が連日報じられる中で、わずか二日の延長、しかも土日のみでの会期延長は単に法案の通過を目的としたものでしかないのは誰が見ても明らかだ。しかし、それでも政府・与党は国会を「閉じる」ことにこだわったようだ。

 理由は巷間さまざま言われているが、やはり国民の前で議論にさらされることを避けたのだろう。それは、特定秘密保護法案だけではない。あらゆることで、だと思う。

 会期末の今日は、朝から臨時の役員会と常任幹事会が召集され会期末の対応について「代表一任」が取り付けられた。特定秘密保護法案の審議については、確かに与党の乱暴、横暴が目立つ参院審議ではあるが、そもそも国会対策において民主党内での衆参のスタンス、ひいては執行部のスタンスが明確ではなかったのではないかという指摘もある中での最終日の判断は、相当困難を極めたものではなかったかと思う。

 とりわけ、参院では徹夜国会を敢行しているのだから、衆・参の意識合わせというのはそれなりに腐心されたのだと思う。

 実際、時間軸で、審議が進むにつれて状況が変わるので、それぞれ現場では頑張っているのだが、微妙な思惑のずれが生じ、時には党内での信頼感の醸成に微妙な影を落とすことだって十分あり得る。そんな中での調整だから、なおさら大変だったのではないかと思う。

 特別委員会の皆さんにおいては、連日本当に頑張ってこられたと敬意を表するところだが、いかんせん、最終日の攻防というのはなかなかに難しい。ましてや圧倒的多数を誇る与党と、特定秘密保護法案においては与党にすり寄る第三極もいるなか、ギリギリの攻防というのは難しい局面だったと思う。

 最終的には、午後8時半、民主党単独で提出した安倍内閣不信任案が民主、みんな、共産、生活の賛成を得ながらも起立採決であっさり否決された。

 その後の参院での問責決議案の採決も、衆院で内閣の不信任案が否決されたことはすなわち信任されたこととなり、参院での採決も見送られることになるようだ。

 圧倒的多数を持つ、与党に対してどう対峙するか、これは少数野党として極めて難しい課題に向き合うことを意味する。

 年明けの通常国会、正念場を迎える。

かつてとは違う会期末攻防