「新たな事実」の報道

2007年2月8日 (木) ─

 アパ物件における耐震偽装の問題で、なぜマスコミが取り上げないのか?、何か圧力でもあるのか?、などの指摘が再三あるようだがこれはかなりうがった見方と言えるし、何か陰謀論のようなものに煽(あお)られすぎ。民主党のHPから耐震偽装告発サイトがなくなったことまでも「圧力があったのか」、「なにか隠そうとしてる」などと結び付けるに至っては失礼ながら笑ってしまった。

 党HPのサイトがなくなったのは、管理者との契約が終了したためだ。他に管理するものがいなくなったので閉じたと聞いている。管理者だった人はよく知っているが、仕事が立て込んでいる状況も聞いてたので契約満了で党HPを離れられたのだなと思っていた。まったく違和感なかったのだが、何でも結びつけるものだなぁ...と感心。

 また、報道機関を擁護をするつもりはないが、普通に考えてアパ問題は報道の立場で取り上げるといっても、限界があるのではないかというのが正直な感想だ。

 あくまでマスコミは、「報道」という立場で「新たな事実」について取り上げることができる。そしてそれは憶測や陰謀説に基づく推論などではない。

 もちろん、媒体は様々なので「この雑誌には書いてるじゃないか!」などの反論は容易に想定できるが、新聞やテレビなどの即時性の高いメディアは、新たな事実を中心に伝えようとするのは当然と言えば当然。

 アパグループに関する耐震偽装問題は、昨年の6月1日に朝日新聞が報道した。そして、そのことから6月7日、国土交通委員会の一般質疑で事態について私が質した。そこまでが、その段階での事実である。国会での議論は国民全員がその議事録やビデオライブラリなどで閲覧可能となっている。議事録は100年間保存される。これでも、「問題が公にされていない」と言われたら、返す言葉がない。

 その後、元イーホームズ社長の藤田さんがメディアに向けて発信され、その「告発」が無視されているとの話が喧伝されているが、それもどうか。

 別にメディアは無視したのではなく、藤田さんの発信に新たな事実が含まれていると判断しなかったからに他ならないのではないか。事実、私は国会に出入りする記者さんたち全員が、取り上げようがないですよネ、とこぼしているのを見ている。

 そして、京都のホテルである。この件は、新たな事実の発覚であった。だから報道されたのである。そして、現段階での「新たな事実」について国政が携わるべきことについては、国会で質していこうと思っている。それ以上でも、それ以下でもないのである。

 陰謀論によって煽られるのは、恐い。

「新たな事実」の報道